起業家 森川亮ブログ

Twitterやfacebookだと流れてしまうので残して置きたいことなどつらつら書いていきます。

この本は集英社インターナショナルの佐藤さんよりいただきました。著者の中谷先生が大企業の経営者候補生を集めて教えている不識塾の課題図書を紹介している本です。この本を読んで今年リベラル・アーツの知識を深めることを目標にするきっかけとなりました。

中谷先生は元々ハーバードで学びアメリカ的ロジカルな考え方中心だったそうですがグローバルのエリート達と様々な議論をする中、これだけでは足りず歴史観や宗教、また日本の歴史、哲学など様々な深い理解が必要ということに気付き、日本の若手エリートにそれらの考え方を教えるこの 「不識塾」を開いたのだそうです。

この本はその塾生たちが課題図書を紹介しています。ポスト資本主義や民主主義とは?、保守主義とは?、日本の未来は? 西田哲学、宗教観、日本人らしさとは?など様々なテーマについて書かれています。

変化の早い現代で歴史観を持って判断をしたいと思う方々にお薦めの本です。
www.amazon.co.jp/dp/4797672374/ref=cm_sw_r_tw_dp_BYHSub1NB22Z1
fushikijuku 

皆さんこんばんわ。
本日、プレスリリースやコーポレートサイトでも発表させていただきました通り、私森川亮はLINE株式会社の代表取締役社長を任期満了に伴い、2015年3月で退任させていただくことになりました。
1989年に日本テレビに入社し、2000年ソニーへ転職、そして2003年からこの会社で働いていて社会人経験の中で一番長いキャリアとなりました。そろそろ次のステージに移るタイミングと考え退任を決意しました。

2003年に36歳で当時30名程度のハンゲームジャパンに平社員で入社したのですがなんと翌月には事業責任者になることになり、また会社そのものはその年の夏にネイバージャパンと合併しNHN Japanになりました。
最初はゲーム事業でアバターやコミュニティサービスを強化し、その後MMRPGなど大型のゲームの事業にも参入、更にオンラインのパチンコやパチスロなど様々な事業を広げ日本でNO.1のゲームサイトへと成長させ、2007年に社長に就任しました。売上も入社時から約40倍、社員数も600名くらいまで成長しました。

そして社長になってからはまず1ヶ月間韓国に行って韓国語を勉強し、その後全社員の給与の見直しやオペレーションの中国や福岡への移転を実施し古くなった体制を整えてから、2007年の年末にネイバージャパンを改めて設立。2009年には再度検索サービスのNAVERをスタートしました。
そして翌年2010年にはライブドアがグループ入り。翌年大震災が起こって2011年にLINEが誕生しました。

大震災の時には3日後に会社を閉鎖し主要メンバーで福岡に移りオペレーションをしていたのですが、外国人の社員が国にかえってしまうなどして、もうネイバージャパンはおしまいなんじゃないかと思う夜もありましたが、社員の頑張りで逆転満塁ホームランの如くLINEという素晴らしいプロダクトを生み出しました。この年は1日も会社を休むことなく事業に専念した年となりました。

そしてLINEが誕生してからは、スマートフォンへの集中を宣言して2012年からNHN Japanとネイバージャパンとライブドアを統合。
そして翌年2013年には、プラットフォームへの事業の集中を目的にゲーム事業を別会社化しほぼ創業時から共に働いていたメンバーと泣く泣く別れ、プラットフォーム事業へ専念すべくLINEのグローバルヘッドクオーターとして改めてLINE株式会社と名称変更をしました。
その後は世界各国を周りLINE事業のグローバル化を推進するとともに日本国内でも様々な人脈を広げ、LINEへの様々な理解を深める努力をしてきました。

今年4月から出澤COOも代表取締役として選任し移行する体制を整えたので、私は2015年4月から新たなチャレンジをしたいと思います。

11年というのは1つのインターネット企業で働くには長い期間だと思うかもしれませんが、これまでの歴史を見ていただければわかる通り毎年大きな変化があって実際のところはあっという間でした。
外資系の企業でほぼ創業時から様々な事業体を経験し、新たな会社もグループに加わるという他に誰も経験していないようなことを経験し、もちろん刺激的で楽しい事も多かったのですが、人には絶対に相談出来ない苦しい日々も多くありました。

外部の皆さんは私がいつもニコニコしている楽天的な人間だと思っていると思いますが、実際のところは毎年今まで経験しなかったような大きな課題とぶつかり、失敗も数多くして、思い通りにいかない時には部下とともに声を出して泣いた夜もありました。

それでもここまでやってこれたのは、優秀な社員の皆さんと株主の支え、そして何よりも私達のサービスを愛してくれるお客様の声のおかげです。時には厳しい声もありましたが、それは真摯に会社のため、私のために言ってくれる言葉でした。
どれも忘れられない思い出として心に残っています。

11年間やりきってやり残した気持ちはまったくありません。事業も成長軌道に乗っていて安心してバトンタッチが出来るタイミングです。
事業が落ち込んで退任するわけではないので社長として本当に幸せだと思います。
今後は、これまでも行ってまいりましたアントレプレナーやスタートアップ企業の支援、育成事業や新規事業にさらに積極的に携わっていきたいと思っています。
このまま隠居するにはまだ若いつもりです。LINEや、分社したNHN PlayArtの社員に負けないよう新たなチャレンジをしようと思います。
また改めてこのブログでご報告出来る日が来ると思いますので気長にお待ちください。

今後もLINEのサービス、そしてLINEの社員を温かい目で見守っていただきますよう、よろしくお願い致します。

原さんが主催するアライアンス・フォーラムという財団がありますがこちらでは原さんの提案する公益資本主義というものを推進する組織です。資本主義が進む中で顧客より社員より株主を最も大事とするような考え方の中で極端な貧富の差が進むとか、また新しい価値を創造することよりも株主配当で還元することで結果的に長く続く会社が生まれにくいなど様々な課題がありそれに対して問題提起をされています。

この団体の会議が11月に開催されたのですがそちらに参加出来なかった方々のフォローアップディナーでした。この会議には東レや三菱ケミカルホールディング、リコー、日本たばこ、ロート製薬などの代表や甘利大臣、経産省の通商交渉の責任者など日本を代表する方々が参加し現状課題と今後あるべき姿について語り合ったそうです。IT業界からはネクストの井上さんがやはりNext Wisdom Foundationという財団を作って公益資本主義を推進していますが井上さんも出席されたそうです。

原さんはサイボウズの青野さんから紹介いただきました。元々考古学を勉強するためにスタンフォード大学に入ったそうですがその後国連フェローから起業家、そしてベンチャーキャピタルを立ち上げて様々な事業を支援しています。そして最近はこの公益資本主義を提案しながらアフリカの銀行法を変えることに関わったり、ダボス会議だけでなく世界イスラム経済会議などにも参加し世界を変える大きな動きをされています。難しい方のように思われるかも知れませんが話をするととても気さくでスピードも早く本当に凄い人です。今回も力をいただきました。
 hara