G1サミットではやぶさプロジェクトマネージャの川口さんの宇宙の話を聞いてから興味を持ち彼の本を何冊か読みました。彼が言っていたのは宇宙にはまだまだ可能性があってそれを確かめたい、でも日本は米国はもちろんロシアや中国よりも宇宙技術開発分野で遅れていてかつ予算も少ないと。そんな中でどうやって成果を出したのかが書かれていてその文化が映画でも観られたのではないかと思います。

はやぶさがやったことはアポロ群の小惑星 イトカワに到達してそのサンプル採集をしたということです。地球重力圏外にある天体の固体表面に着陸してのサンプルリターンは世界初ということでこのサンプルを研究することで地球が生まれた理由も明らかになるとか。夢がある仕事ですよね。

この実験は大変リスクが高かったためにたとえ失敗したとしても意味があるものにしようと様々な小さな実験と挑戦を組み込み、それらが失敗した場合の様々なケースを想定して準備に準備を重ねたとか。特にはやぶさで使われたイオンエンジンは今までの化学ロケットと比べて速度が10倍早いため燃料が10分の一で済み小型化出来たのだとか。

彼が言っていたのは勉強はもちろん大事だが勉強は過去の結果を知るということで勉強の専門家になってしまうと新しいものは生み出せないと。まさにイノベーションに必要な考え方ですね。映画の中で専門家が課題にぶつかると出来ないとかリスクが高いというのですがそれに対して何故なのか?ロジカルではない!と突っぱねて最後は前向きにやってもらうという動きを作っています。もちろん皆のビジョンが同じで高いものを目指すがゆえということもあると思いますが専門家に対してどうその力を前向きに活かすのかまさにその文化こそがイノベーションを生むのだと思います。ぜひ新規事業担当者や起業家の方に観て欲しい1本です。

映画「はやぶさ 遥かなる帰還」の公式ページ
http://www.hayabusa2012.jp/