最近取材を受ける度に今後の事業計画がないことについて驚かれるのですが、それは別にいい加減な会社ということではなく
・今はさほど必要ではない。
上場企業ではないので細かく事業進捗を追いかける必要がない。
・作っても変更しなくてはいけないほど変化が早いので無駄な作業になってしまう。
という2つの理由があります。
そもそも事業計画を作る目的は資金ショートがないように注意深く見守ることと社内的に事業目標を達成するマイルストーンとして主に管理面で使われるものだと思っています。我が社も以前は細かく作っていました。ただそれは計画通りに行く場合の話で計画通りいかないものをわざわざ事業計画を作るというのは無駄が多いと感じています。
昨今のように変化が早い場合には変化に柔軟に適応することが大事だと思います。私達の会社ではスポーツに例えると野球型ではなくサッカー型を目指そうと話しています。野球型というのは攻めと守り、打順、ポジションなどあらかじめ決められたものを監督の細かい指示で進めるということで今までの日本企業の経営に近いものがあると思います。一方サッカー型というのはある程度戦略は決まっているもののいざフィールドに出ると選手の力量が重要になり、パスとドリブルの組み合わせで点を取るという野球と比べると変化をマネジメントするやり方なのではと考えています。右肩上がりの時代では野球型がマッチしていたのですが現代のように変化のサイクルが早い場合にはよりサッカー型が変化に適応しやすいと思います。
我が社では自らドリブルをしシュートを打つつもりで仕事をして欲しいと話しています。なので社員を育成しチームワークをとってというよりは、自らリーダーシップを持ってリードし、時には意見が合わず喧嘩してもユーザーの求める価値を自ら作っていく人を支持しています。ただこれは我が社が外資系企業で外国人が多く、M&Aを通じて多様な事業やサービスを抱えているため1つの考え方ややり方に押し込めるようなやり方がなじまないところから出てきたやり方です。なので同じ方法をやってうまくいくかどうかは別問題だと思います。一番大事なことはメンバーや環境にあったやり方をし流れに適用していくことだと思います。
最近取材を受けて3年後、5年後どうなっていくと思いますか?と聞かれるとわかりませんと答えます。もちろん本当にわからないのですが、もう1つは仮に何か答えたとしてもまた考えや状況が変化するのでかえって朝礼暮改にならないように言わないということもあります。日本人は計画が好きで計画通りしないとモチベーションが下がることも多いのであえて計画を言わないということも大事かも知れません。
コメント
コメント一覧 (3)
監督のインタビューなど。
http://number.bunshun.jp/
そうですね。ナンバーさんはスポーツジャーナリズムの名門ですね。
キューバ野球に関して、わたしの手元にもありますが鉄矢多美子さんという方が『熱球伝説』(岩波)という著書の中でキューバ野球を詳しくお書きになっています。本の最初の方で、いまのWBCの山本監督が25年前キューバ野球を視察した感想が書かれていて、「パワーがあるのに、一点を確実にとろうとする」
と、日本式ではなくアメリカンでもないカリブ式の野球に驚いたそうです。
練習方式は、「楽しさを追いかける」「送りバンドより積極的な方法を考える」
など、それぞれがじぶんにあったやり方を求め、
思考も変わっていて、「練習時間と休憩時間が同じ」「試合の二三日前から肉を食べない」
など、合理的なやり方が徹底しているのだとか。
日本人でキューバ野球に近いのは、落合前監督ではないかという人もいます。
「オレ流」で現役を貫き、監督時代も「オレ流」で、落合前中日監督はキューバでは
とても有名らしいですよ。ご参考まで。
ま、しかし組織の中に、「オレ流」ばかりいたら、ちょっと困るかもしれませんが。