皆さんこんばんわ。
本日、プレスリリースやコーポレートサイトでも発表させていただきました通り、私森川亮はLINE株式会社の代表取締役社長を任期満了に伴い、2015年3月で退任させていただくことになりました。
1989年に日本テレビに入社し、2000年ソニーへ転職、そして2003年からこの会社で働いていて社会人経験の中で一番長いキャリアとなりました。そろそろ次のステージに移るタイミングと考え退任を決意しました。

2003年に36歳で当時30名程度のハンゲームジャパンに平社員で入社したのですがなんと翌月には事業責任者になることになり、また会社そのものはその年の夏にネイバージャパンと合併しNHN Japanになりました。
最初はゲーム事業でアバターやコミュニティサービスを強化し、その後MMRPGなど大型のゲームの事業にも参入、更にオンラインのパチンコやパチスロなど様々な事業を広げ日本でNO.1のゲームサイトへと成長させ、2007年に社長に就任しました。売上も入社時から約40倍、社員数も600名くらいまで成長しました。

そして社長になってからはまず1ヶ月間韓国に行って韓国語を勉強し、その後全社員の給与の見直しやオペレーションの中国や福岡への移転を実施し古くなった体制を整えてから、2007年の年末にネイバージャパンを改めて設立。2009年には再度検索サービスのNAVERをスタートしました。
そして翌年2010年にはライブドアがグループ入り。翌年大震災が起こって2011年にLINEが誕生しました。

大震災の時には3日後に会社を閉鎖し主要メンバーで福岡に移りオペレーションをしていたのですが、外国人の社員が国にかえってしまうなどして、もうネイバージャパンはおしまいなんじゃないかと思う夜もありましたが、社員の頑張りで逆転満塁ホームランの如くLINEという素晴らしいプロダクトを生み出しました。この年は1日も会社を休むことなく事業に専念した年となりました。

そしてLINEが誕生してからは、スマートフォンへの集中を宣言して2012年からNHN Japanとネイバージャパンとライブドアを統合。
そして翌年2013年には、プラットフォームへの事業の集中を目的にゲーム事業を別会社化しほぼ創業時から共に働いていたメンバーと泣く泣く別れ、プラットフォーム事業へ専念すべくLINEのグローバルヘッドクオーターとして改めてLINE株式会社と名称変更をしました。
その後は世界各国を周りLINE事業のグローバル化を推進するとともに日本国内でも様々な人脈を広げ、LINEへの様々な理解を深める努力をしてきました。

今年4月から出澤COOも代表取締役として選任し移行する体制を整えたので、私は2015年4月から新たなチャレンジをしたいと思います。

11年というのは1つのインターネット企業で働くには長い期間だと思うかもしれませんが、これまでの歴史を見ていただければわかる通り毎年大きな変化があって実際のところはあっという間でした。
外資系の企業でほぼ創業時から様々な事業体を経験し、新たな会社もグループに加わるという他に誰も経験していないようなことを経験し、もちろん刺激的で楽しい事も多かったのですが、人には絶対に相談出来ない苦しい日々も多くありました。

外部の皆さんは私がいつもニコニコしている楽天的な人間だと思っていると思いますが、実際のところは毎年今まで経験しなかったような大きな課題とぶつかり、失敗も数多くして、思い通りにいかない時には部下とともに声を出して泣いた夜もありました。

それでもここまでやってこれたのは、優秀な社員の皆さんと株主の支え、そして何よりも私達のサービスを愛してくれるお客様の声のおかげです。時には厳しい声もありましたが、それは真摯に会社のため、私のために言ってくれる言葉でした。
どれも忘れられない思い出として心に残っています。

11年間やりきってやり残した気持ちはまったくありません。事業も成長軌道に乗っていて安心してバトンタッチが出来るタイミングです。
事業が落ち込んで退任するわけではないので社長として本当に幸せだと思います。
今後は、これまでも行ってまいりましたアントレプレナーやスタートアップ企業の支援、育成事業や新規事業にさらに積極的に携わっていきたいと思っています。
このまま隠居するにはまだ若いつもりです。LINEや、分社したNHN PlayArtの社員に負けないよう新たなチャレンジをしようと思います。
また改めてこのブログでご報告出来る日が来ると思いますので気長にお待ちください。

今後もLINEのサービス、そしてLINEの社員を温かい目で見守っていただきますよう、よろしくお願い致します。