起業家 森川亮ブログ

Twitterやfacebookだと流れてしまうので残して置きたいことなどつらつら書いていきます。

カテゴリ: 本・メディアで感じたこと

ここ数週間英語の勉強に集中していて本を読む時間がなく、ずいぶん本が溜まっていたのですが今日まとめて読みました。ちなみにこの本は先行して読んだのですが感想をかけずにいたので今日書かせていただきます。

楽天社長三木谷さんと経済学者のお父様との共著ということですが、全体通して日本の経済や政治などについて本当にざっくばらんに語り合うという本でした。三木谷さんの実践を通じた経営や経済に対する見方と一方でアカデミズムのお父様の見方がぶつかり合う中で本質を明らかにするという本当に勉強になる本でした。

内容的には経営から経済、政治、そして最後は教育など幅広い分野にわたった内容でした。時には過激な意見も入りながら結果的に客観的に整理されて読みやすい内容で且つ本質をついた内容になっています。大きく変化している世界において日本は良い状況だからこそなかなか変われない。特に成功体験を持っている年代や大企業ほど変われないというイノベーションのジレンマのような状況をどうすれば変えられるかという具体的な様々な案が他国の事例とともに議論されています。 

改めて日本の課題について考えて見たい方、また変えたいと思っている方にお薦めの本です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4062186527/ref=cm_sw_r_tw_dp_kpbxsb18MXACK

mikitani 

会社を老化という側面でとらえたユニークな本で会社とは何かを考えさせられました。出来上がったものはある時から不可逆的に進化しそれを元に戻すのはとても難しいということがわかります。多くの成功した会社もしくは組織、個人などで同じ状況が見受けられますね。  成功し上場するなどするとコーポレートガバナンスということでリスクマネジメントをしたりプロセス化し誰でもできるように業務体系を整理し効率化したりするなどといった良かれと思いやったことが、ある時から組織が固くなりイノベーションが起こらなくなるなど悪くなる方向に変わります。そういう時にどう変われるのかが本当に重要だと思います。

様々な会社が一度事業で成功した後、長い間その会社にいて成功体験の意識を変えられない人や急激に人材を採用し組織を拡大する中で入ってくる学歴が高く賢い人などが組織に多くなると、その事業が成熟し新たな成功モデルを生み出さなければならない時に過去の成功を否定し新しく変わるということは本当に難しいようです。社内派閥や社内政治、ルールの増加、過剰品質などなど大企業病と呼ばれる体質がどこから生まれてくるのか?そしてイノベーターも抜けそこで育った社員達からの新しい提案も無いという中で組織がどう変われるのかのヒントが書いてあり参考になります。

より多くの人達に読んでほしいですが、特に大企業の経営者含め関わる人たちに読んで欲しいと思います。
http://www.amazon.co.jp/dp/4750513059/ref=cm_sw_r_tw_dp_AyDcsb0Q3SDCP

 

 _SS500_

この本はパソナキャリアの渡辺社長よりいただいた本でですが、社内の参考図書にされているそうです。インドのB to Bのソリューションなどを開発、提供するIT企業HCLテクノロジーズの立て直しの話で、大変参考になるのでこちらで紹介させていただきます。

インドでも有数のIT企業として成長したこの会社ですが組織が硬直化し、後発会社に抜かれたことにも甘んじていました。そんな成熟企業をこの本の著者であるヴィニート・ナイアーさんが社長として立て直したそうです。彼は元々子会社の社長を経験していて本当は親会社の社長を引き受けたくなかったそうですが、創業者からの頼みということで断れず引き受けたのだそうです。

彼が凄いのはとにかく現場の一般社員のパフォーマンスに注目し、それをエンパワメントする文化を定着させたことでした。おそらく一般的に企業の立て直しを考えるとリストラ、事業再生となると思いますが、この会社ではもちろんリストラも事業再生もやったものの、その後に従業員第一、顧客第二、その次にマネジメントと定義し
、現場社員を活性化し事業を右肩上がりに伸ばしたのでした。

従業員第一とした理由は、顧客に感謝される時には従業員が褒められるがうまくいかなかった時はマネジメントが怒られるという状況だったそうで 、B to Bの会社だからかも知れませんが現場の社員が最も貢献しているのでその層を活性化すれば良いと考えたからだとか。しかし実際にそれを実行するために360度評価制度を導入しマネジメントの評価結果を公開して支配範囲ではなく影響範囲が大事だということを文化にしたり、管理部門が従業員に対し上から目線で様々なものを管理する姿勢を変えるために管理部門に自由に質問や意見を言える社内ツールを導入し、そこから質問や意見を無くすような動きを作ったり、更に社長そのものの権限を現場に委譲し現場がモチベーション高く早いスピードで業務を行えるようにしたりなど組織のヒエラルキーを大事にする硬直化した企業は大いに学ぶべきだと思いました。

大企業の経営者に特にお薦めの本です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4862761259/ref=cm_sw_r_tw_dp_9-Easb08G07AG
 

shaintaisetsu 

アメリカで有力ベンチャーキャピタルDCMの元パートナーだった伊佐山さんが書いたこの本読ませていただきました。伊佐山さんとはIVSなど様々なところでお会いするのですがじっくり話したことはありませんでした。今回DCMを辞めて新たなスタートをされるということもあり、またそのパートナーは皆私の知り合いということもあって関心を持って読ませていただきました。

シリコンバレーで起業するというのは何かカッコイイ流行りのように受け止められることもあるように思いますが、世界中から優秀な人材が集まりとても競争が厳しいので 実際に成功するのは大変難しいのだと思います。ただ世の中を変えたい、自分の気持ちに忠実に行きたいという想いが失敗を繰り返しても結果的に成功につながるのでしょうし、またそれを受け止める周りの文化があるところがより起業家達を惹きつけ優秀な人々が世界中から集まってくるのでしょう。

映画であればハリウッド、IT企業であればシリコンバレーというように何か集積地のようなイメージがあるのですが、伊佐山さんのこの本では、そうであっても特別ということではなく誰でもきっかけがあれば変わる事も出来るし、自分の心持ち次第、日本は大変良い環境があるので起業したい人は心の声にしたがい起業すべき!という応援メッセージに大変勇気づけられました。

起業を考えている方、起業家の方々にお薦めの本です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4806148318/ref=cm_sw_r_tw_dp_F7g9rb1CRJCJ7

 siliconvalley

今月日本生産性本部のセミナーでの講演の時に冨山和彦さんとお会いして現在の日本企業の状況についてお話させていただいたのですが大変共感しまして、そしたらその後この本をいただき読ませていただきました。

最初から最後まで共感、そして学ぶ点が多く自分が今まで思っていたことが改めて確認出来たような気がしました。日本企業、とくに製造業ではボトムアップ、現状維持、プロダクトアウト、すり合わせなどの考え方が世界の変化した市場環境について行くことが出来ず、変化するか潰れるかどちらかという状況まで追い込まれているのだと思います。そんな中コマツや日立、ブリヂストンなどが強いリーダーや賢いリーダーがいる会社は変化し成功しています。

この本ではアメリカ企業が日本企業に敗れて学び、より過去の知識が生きる分野にシフトしてGEのように成功したように、日本企業も強い分野にフォーカスし、その上で標準化や見える化、トップとミドルの連携強化などを実行することでまだまだ可能性があると具体的な処方箋まで書かれています。ぜひ日本企業の経営者は読むべきだと思いました。本当にお薦めです。 

http://www.amazon.co.jp/dp/4532318890/ref=cm_sw_r_tw_dp_k3g9rb0JSM7HW
kaseguchikara