起業家 森川亮ブログ

Twitterやfacebookだと流れてしまうので残して置きたいことなどつらつら書いていきます。

カテゴリ: 本・メディアで感じたこと

この本は世間一般で当たり前だと言われる経営の常識にあえて向き合い様々な事例を元に常識が現実と異なる場合があるということを説明してくれています。例えば新聞というのは一般的なサイズよりも小さくしたほうがコストが下がり効率的だそうですが、現在のサイズが業界の常識でこれを変更すると売上が下がるいう考えがありました。しかしイギリスのインディペンデント紙がサイズを小さく変更したところコストも下がり且つ売上が上がったのだそうです。このように今までの常識と呼ばれたものが実は根拠がないという場合が多々あるように思います。

意思決定において数字で見えるものについてはそれを参考に判断すべき時もあると思いますが、人は必ずしもロジックで動くわけではないというところを理解した上で判断することが大事だと書かれています。まさにその通りでもちろんロジックも大事ですが、新しい課題と向き合った時はそのロジックをベースとした上で最後は勘で意思決定が行わることが多いのではないでしょうか。例えば新製品を出す時にアンケート調査をした場合かえって新しいものが拒絶されてしまう場合もあり、一方大当たりした新製品が担当者の感覚から生まれることが多いことなどからもこのことを説明出来ると思います。

戦略についても進むべき方向は分かっていてもその途中は霧の中を走っているようなもので一瞬見えた景色やその時の競合の動きなどで変化せざるを得ない場合も多く、結果的に偶然の産物から成功するという場合も多いと書かれています。イノベーションを起こした会社と起こしていない会社を比べた時にイノベーションを起こした会社の寿命の方が短いという残念なデータもあるようで成功というのは必ずしも戦略が優れているから出来るということではないとのこと。しかしまったく運の要素だけで成功出来るわけではなく、成功のための準備が出来ている会社が結果的に成功する場合が多いのだとか。

この本に書いてあることが全て正しいと言い切ることは出来ませんが常識を疑う事で新しい経営に対する見方考え方が生まれると思います。経営者や起業家の方にお薦めの本です。 
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実は恥ずかしながら俺のイタリアンも俺のフレンチも行っていないのですが、ずいぶん前からこのビジネスモデルに注目していて今回この本読みました。

回転率を上げることで一流のシェフが高い原価率でサービスを提供しても黒字が出るというコロンブスの卵的発想で当たり前だけど誰もやらなかったことをやりきったこと本当に素晴らしいと思います。技術力がなくても新しいイノベーションが起こせることの証明ですね。

社長の坂本さんは元々実家の事業を手伝ってから独立し失敗の中からブックオフの事業を創業し成功されたそうです。 旧来の古本屋のように本の価値に注目したのではなく、本を捨てるのがもったいないというエコの観点から価値を作り事業を立ち上げ、今や本だけでなくDVDやゲーム、最近は服や家電などにまで広がる新しいビジネスモデルを作りました。事情があってブックオフから離れたそうですが今回まったく新しい分野でイノベーションを起こしました。

新しいイノベーションを起こす人は今までの常識を一旦疑ってそこにある新しい機会に注目する人が多いように思います。新しい事をやる時にはもちろん資金力や人材などのリソースで勝負するやり方もあると思いますが、差別化要素が消費者からの価値としてきちんと見えていることにより大きな成長につながると思います。差別か要素を丁寧に考え実行している点が素晴らしいです。

またこれを実行するためにあえて自分とは異なるレストラン業界と証券業界からパートナーを集め、更に京セラ創業者で且つJAL再建で有名な稲盛さんの経営哲学である“利他の心”という考え方でお客様とシェフの求めることを最大化することで現場中心の会社にするなどマネジメントにおいても一流なところも学ぶべきところです。本だけでなく早く現場も体験したいです。

経営者から起業を考えている方までお薦めの本です。
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ずいぶんまた時間が空いてしまいました。忙しくしているのですがあまりブログに書けないことが多く時間が経ってしまいました。

さて今回ヴァージングループの創業者リチャード・ブランソンの本を読みました。以前私がまだ30代の頃経営者になる前にも前著ヴァージン―僕は世界を変えていく」を読みました。その頃彼のやり方が破天荒でいかにもベンチャー企業らしいととても刺激的に感じたのを覚えています。しかし時間が経ち今回経営者という立場で改めてこの本を読んで色々と気付かされるところがあったのでブログで紹介することにしました。

まず1つ彼が凄いのはグループの多角化に成功している点です。当時の経営論では企業は多角化を行うことで事業ポートフォリオを拡大しリスクマネジメントすべきと言われていました。そして大企業がこぞって新規事業部門を作ったりM&Aを行ったりして事業を拡大しましたがそのほとんどが失敗したように思います。そして最近の経営論ではむしろ多角化するよりは強みに集中すべきと 言われているようです。でも彼は事業の多角化に成功しました。もちろんその中には失敗したものもあるでしょう。ただレコードショップに始まりレコードレーベルを持ち、航空から銀行、鉄道などまったく自社の強みでない領域でも成功したのは軌跡とも呼べるのではないでしょうか。

ヴァージングループの成功のポイントの1つ目はやはりヴァージンらしさというものにこだわった点だと思います。 彼らのブランドは古いイメージの大企業が市場を占有していてそのために消費者にとって価値がある提案が出来ていないという市場に救世主のように参入しユーザー第一の価値のある提案をするというチャレンジャーのブランドです。そして実際にそのことでファンを集め市場シェアをとって成功しています。もちろんコーラ市場のように失敗した事例もありますが、ここにこだわって事業を見極めている点が最も大きな成功要因だと思います。

2つ目の成功のポイントは徹底的に消費者目線であるということだと思います。会社が儲かるとか時価総額を上げるというより、消費者に対し徹底的に価値あるサービスや商品を提供し、そのために現場社員が積極的に働けるよう楽しい職場環境を作り且つ権限以上をしている点が素晴らしいですね。ただ楽しい環境を作るというだけでなく常にベンチャースピリットを保つよう会社を小さく分割したり、時には現場に近いところに出かけ直接サービスをチェックするなど細かいところに気を配っているところは彼の経営者としての事業に対する情熱と一方で器の大きさを感じます。

この本を経営者でない人が読むといかにも彼らしく気楽にマネジメントをしていると思われるかと思いますが、深く読み込むといかに工夫しているか、いかに努力しているかというところが見えてきます。私は実際に一緒に仕事をしたことがないのではっきりとは言えませんが、彼なりに苦労し相当なグループ企業経営のノウハウがあるように思います。一度直接会って話してみたいものですね。

特に経営者の方にお薦めの本です。 
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この本はTSUTAYAで有名なCCC増田社長が代官山T-SITEをオープンする前に書いた構想段階の本です。社長によるとCCCは常に新しい事を提案する会社でいつも様々な企画をしている。それはいつも新しいので自分達でまずやってみたいといけないと。創業時のTSUTAYAもTポイントもカフェ併設のTSUTAYA、代官山T-SITE、そして最近は図書館まで新しいチャレンジとしてプロデュースしています。構想段階で証拠を残すために本を書くのだとか。

この本ではモノの時代ではなくコトの時代になり、単に安いとか品揃えとかという事だけでなく消費者へのライフスタイルの提案が必要だと書いてあります。まさに満たされた時代こそWhat's Newが求められるのですね。そして日本は高齢化が進み今までのTSUTAYAの顧客よりも年齢層が上になるので大人の人達に新しい提案をしなくては生き残れないと考えチャレンジしたのが代官山T-SITEだったそうです。

前回のブログでも書きましたがコンセプト中心、テーマ中心で本やDVD、CDを配置しもちろん品揃え国内NO.1。 ただそれだけでなく楽しむためのカフェやレストランなどの環境も用意しています。

本の中で様々な方との対談がありますが糸井重里さんとの対談の中でビジネスのオンタイムは“お客様”を視ている。オフは“自分”を視ているというのがはっとさせられました。常に仕事だけでなくインプットや振り返り、ゆっくり考えることも大事なんだなと思いました。また飯野賢治さんとの対談では現代は1分間でコミュニケーションが出来るような短いコミュニケーションが出来ることが大事と語られていました。確かにTwitterやfacebook、LINEなども当てはまると思います。そして日本人はこの短いコミュニケーションの中でも情報を伝えることが出来る、つまり日本人のコミュニケーションは情報量が多いという言葉も新しい発見でした。

何か新しいことを始めようという方た企画の方などにお薦めです。
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マイクロソフトの共同創業者ポール・アレンが書いたビル・ゲイツとマイクロソフトの本です。最近起業の際の苦労話について経営者が書いた本を好んで読んでいるのですがこの本はその中でも衝撃的でした。

まずはマイクロソフト創業の成り立ちですが、二人は地元の優秀な学生が通う私立高校で出会い同じタイミングでコンピュータ・プログラミングにはまり互いに負けず嫌いで腕を競いあっていましたが結果的に一緒に起業をすることに。ただ最初の仕事は技術中心で市場ニーズを把握していなかったため上手くいかず、その後成功のチャンスを待って今で言うPCと呼べるハードウエアのアルテアが出たタイミングでそこで動くBASICプログラムのインタープリタを開発したところから成功の道を進み始めました。運をものにする瞬間がこのタイミングですが、決して焦らず確実に成功するタイミングを待って挑戦しています。

性格的にポール・アレンは夢見がちで様々なアイデアが出てくるタイプですが、ビル・ゲイツは現実的でモノになるもの以外には興味がなかったそうです。意外でした。ポール・アレンは大人っぽいがいい人タイプですが、ビル・ゲイツは幼く見えるが交渉上手なビジネスマンタイプでした。最初営業はポール・アレンが行い交渉はビル・ゲイツ、開発は二人で行いました。そしてついにIBM PCのMS-DOSの開発を請負い独占的なポジションを取ったのです。実は元々このDOSは他社が開発したものだったのですが、それを交渉で有利な契約をし結果的に自分たちのものにしたのでした。成功は技術力だけでなく交渉力も大事だということがわかります。そしてそのために互いに足りないところを補いながら支えあったパートナーシップも素晴らしいものでした。

最も衝撃的なシーンはビル・ゲイツがポール・アレンに対し利益配分の比率を交渉するところでした。ビル・ゲイツは自分の成果を理由に今まで同じだったところを自分の比率を高くして欲しいと。ポール・アレンはあっさり認めますがその後ポール・アレンが成果を出した時に増やして欲しいと話してもビル・ゲイツは認めませんでした。ビル・ゲイツは父親が弁護士で実は交渉して有利なポジションを取りたかったのだとポール・アレンは語っていますが、ここから互いの信頼関係が崩れたのでした。ビジネスというフィールドではこういうことも多々ありますね。

更にビル・ゲイツがハーバード大学時代の友人スティーブ・バルマーを連れてきてからはビルゲイツとポール・アレンは議論する度に互いに喧嘩のようになってしまい話す機会が減ってしまったそうです。その後ビル・ゲイツとスティーブ・バルマーの二人がどうやってポール・アレンを追い出すかという話をしているところを立ち聞きしてしまうことに。結果的にポール・アレンはマイクロソフトを離れることを決意します。

ポール・アレンは技術の知識をベースにしてビジョンを語り、ビル・ゲイツはリアリストで具現化してくるという役割分担で成功したのですが、会社が大きくなると互いの役割分担も変わりそれぞれジェネラリストだったところから求めるものが微妙にずれてきてしまったと語っています。これだけ素晴らしい役割分担が出来ていても会社の成長が早いと役割を変えること自体が難しくなりそのことがきっかけで信頼関係が崩れるというものなのですね。

全ての起業家にお薦めです。
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