起業家 森川亮ブログ

Twitterやfacebookだと流れてしまうので残して置きたいことなどつらつら書いていきます。

カテゴリ: 本・メディアで感じたこと

「コア・コンピタンス経営」で有名なゲイリー・ハメルさんの最新の著書「経営は何をすべきか」を読みました。彼は今後企業が生き残る上で重要な課題について理念、イノベーション、適応力、情熱、イデオロギーという5つの分野においてケースも交えてあるべき姿について語っています。

現代の大きな変化においてはキリスト教という大きく強い宗教まで生き残るために変化しなくてはならないというケースが印象的でした。アナログからデジタル、個別からネットワーク化、管理から共感・共有、トップダウンからボトムアップなどなど様々な市場や価値観で大きな変化があるため、その中で本質的に変わらなければならないのは何なのか?また何故変われないのか?どうしたら変われるのかということが1つ1つわかりやすく書かれています。

いまLINE株式会社では事業計画を作らないとか、未来を予測するより変化した時にどれだけ早く適応出来るかとか、トップダウンよりも現場でイノベーションを起こし早いスピードで変化するとか、なるべく制度やプロセスを作らないとか新しい経営スタイルをとっていますがまさにこのような考え方が重要だと書かれていて 私達のやり方や考え方は間違っていなかったと確信を持ちました。

この本お薦めです。
http://www.amazon.co.jp/dp/4478015694/ref=cm_sw_r_tw_dp_BkOFrb10Q1F0K

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G1サミットではやぶさプロジェクトマネージャの川口さんの宇宙の話を聞いてから興味を持ち彼の本を何冊か読みました。彼が言っていたのは宇宙にはまだまだ可能性があってそれを確かめたい、でも日本は米国はもちろんロシアや中国よりも宇宙技術開発分野で遅れていてかつ予算も少ないと。そんな中でどうやって成果を出したのかが書かれていてその文化が映画でも観られたのではないかと思います。

はやぶさがやったことはアポロ群の小惑星 イトカワに到達してそのサンプル採集をしたということです。地球重力圏外にある天体の固体表面に着陸してのサンプルリターンは世界初ということでこのサンプルを研究することで地球が生まれた理由も明らかになるとか。夢がある仕事ですよね。

この実験は大変リスクが高かったためにたとえ失敗したとしても意味があるものにしようと様々な小さな実験と挑戦を組み込み、それらが失敗した場合の様々なケースを想定して準備に準備を重ねたとか。特にはやぶさで使われたイオンエンジンは今までの化学ロケットと比べて速度が10倍早いため燃料が10分の一で済み小型化出来たのだとか。

彼が言っていたのは勉強はもちろん大事だが勉強は過去の結果を知るということで勉強の専門家になってしまうと新しいものは生み出せないと。まさにイノベーションに必要な考え方ですね。映画の中で専門家が課題にぶつかると出来ないとかリスクが高いというのですがそれに対して何故なのか?ロジカルではない!と突っぱねて最後は前向きにやってもらうという動きを作っています。もちろん皆のビジョンが同じで高いものを目指すがゆえということもあると思いますが専門家に対してどうその力を前向きに活かすのかまさにその文化こそがイノベーションを生むのだと思います。ぜひ新規事業担当者や起業家の方に観て欲しい1本です。

映画「はやぶさ 遥かなる帰還」の公式ページ
http://www.hayabusa2012.jp/

 

先週放送されたのテレビ東京の「カンブリア宮殿」を見ました。

テレビ東京「カンブリア宮殿」

そこでラーメン学校を運営している藤井薫さんのお話を聞きました。藤井さんは小型製麺機で40%のシェアを持っている大和製作所の社長ですが元々は川崎重工で戦闘機の開発にも関わった凄腕のエンジニアだとのこと。香川県ということもあって片手間に始めた小型製麺機が藤井さんの人生を変えたそうです。さすが元エンジニアで麺やスープについても徹底的に研究し科学的に設計図(レシピ)を作るデジタルクッキングの手法とのことで既に店を出しているプロの方々も1週間30数万円の学費を支払って勉強に来ていました。

何より驚いたのは授業の内容でラーメンの作り方だけでなく人間の生き方そのものまで教えているとのこと。

“ラーメンビジネスの世界はプロでも生き残れない、プロ中のプロでないと。だから最高の一品しか出してはいけない”

という言葉は今のIT業界においても共通して言えることではっとさせられました。

大和製作所