起業家 森川亮ブログ

Twitterやfacebookだと流れてしまうので残して置きたいことなどつらつら書いていきます。

カテゴリ: 本・メディアで感じたこと

この本はCEOで著者のエド・キャットムルさんによってピクサーの立ち上げ秘話からスティーブ・ジョブスとの出会い、そしてディズニーによるM&Aなどピクサーの歴史、そしてピクサーがクリエイティブであり続けるためにどんな文化を作って、それを成功してからもどうやって守っているのかが書かれています。

通常の会社は最初のヒット作を出すまではクリエイティブであっても、その後成功モデルにこだわったり、成功にあぐらをかいたり、また大きな失敗をしたりで継続的にクリエイティブであるのは難しいですが、エドさんはとにかく組織のヒエラルキーを無くし、制作責任者に対し客観的にアドバイス出来るチームを作ってクリエイティブとビジネスの融合をうまく実行したり、また常に変化を恐れず新しい事にチャレンジしたりなど工夫して組織文化を作って、守っているところが大変参考になります。

エンターテイメントやクリエイティブが求められる人や会社にお薦めの本です。
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pixer 

この本では今後の大きな潮流としてモバイル、ソーシャルメディア、ビッグデータ、センサー、位置情報という5つの力をあげ、これに関連するテクノロジーが進むことによってどんな社会的な変化があるかが語られています。実際既にIT業界ではこの流れを受け様々なアイデアやサービス、IOTの流れなどが起こっていますが、それが例えば保守的な産業ではどうか?法律面ではどうか?社会学や哲学的にはどうか?などについてはまだまだ見えていない部分が多いと思います。

具体的には例えば自動車が自動走行となりそのことからスマートシティとして街が整備されると様々な情報がビッグデータとして保存され犯罪や事故などの状況が予測され改善出来るようになるでしょう。しかし一方でハッキングやテロなどのリスクも見えてきます。また医療分野でも 様々な病気の原因が判明するとともに遺伝子組み換え技術やナノロボット技術などが進み様々な病気が治るようになりますが一方で貧富の差による格差も生まれることでしょう。

googleグラスはまだ出たばかりでその価値はまだまだ一般には理解、浸透していませんが、実際着けるともっとこんな風に使いたいという様々なアイデアが生まれて来ます。このように予測できない未来が着々と進んでいてロボットやその延長線上のパーソナルアシスタント、そしてそれらによるより高度なマーケティング手法が生まれる可能性などの未来も語れていますが、一方でやはりプライバシーの問題などの課題も同時に語られています。

この本は全体的に現在のITから端を発した潮流の説明とその長所、短所がわかりやすく語られていて読みやすくこの分野のリテラシーが高くない方にもお薦めです。
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context 

この本はハーバード・ビジネス・スクールで唯一のソーシャルメディアの専門家であるミコワイ・ヤン・ピスコロスキ教授が様々な分析を経てフレームワークを提供している便利な本です。切り口としては広がり(人間関係の広がりの可能性)、表現(自己表現の可能性)、検索(求める人を探せる可能性や容易性)、コミュニケーションという4つを元にソーシャルメディアやソーシャルメディアマーケティングの成功と失敗の理由について説明しています。

今までソーシャルメディアの様々な本を読みましたが、ここまで体系化し整理されている本は初めてでした。ソーシャル関連のビジネスやマーケティングを担当する方に是非お薦めの本です。

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platform

この本を書いたのはPayPalマフィアの一人と言われるピーター・ティールで今業界でとても話題になっています。彼はPayPlaの共同創業者でfacebookやSpaceX、Yelpなど先見性のある会社へのエンジェル投資や航空宇宙産業、人工知能、エネルギー、ヘルスケア、リヴァース・エイジングなど様々なプロジェクトに関わっていてそこから学んだ彼独自の考え方が大変参考になりました。

何が話題になっている理由がというと、通常当たり前と言われるビジネスの考え方や投資の仕方について疑問を提示し、その本質を見極め異論を唱えているところかと思います。例えば成功者を模倣することとゼロから価値を作ること、最初に参入することと後で参入すること、競争することとしないことなどを比較し彼の本質から見極めた答えを出しています。私自身共感する部分も多いです。

特に今起業している経営者、もしくはこれから起業を目指す方々にお薦めの本です。
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zerotoone

この本はアメリカにおけるいわゆるロビー活動の現状について書かれた本です。以前はニューヨークの方が政治的な影響力が強かったそうですが、現在は首都ワシントンに国際機関が集まっておりアメリカ国内はもちろん国際情勢の中でもその国がどういう扱いを受けるかという国際的なイメージがここでのロビー活動にかかっているという状況に変わってきたのだそうです。

そんな中、アジア各国は元々影響力が弱かったのですが中国やインドのような大きな力を持った国はもちろんのこと韓国やシンガポールなども地元の二世、三世を巻き込んだり、シンクタンクや大学と連携したり、地元議員を巻き込んだりしながらロビー活動を上手くやることで国際世論に効果的に影響を与えているのだそうです。

一方日本は戦前はかなり影響力を持っていたそうですが、戦後はその力が弱く特に最近では内政的な活動が多く影響力が弱まっているようです。海外に出る人材も減っており国際的な日本の価値向上は今後の課題ですね。

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washington