起業家 森川亮ブログ

Twitterやfacebookだと流れてしまうので残して置きたいことなどつらつら書いていきます。

カテゴリ: 本・メディアで感じたこと

前回読んだ「国家はなぜ衰退するのか」につながる部分もありますが、考え方は少々偏っているもののより整理されているように思います。大きく分けると民主主義の課題、資本主義の課題、法律国家の課題、市民社会の課題という大きく4つの部分について語ってあります。

まず民主主義については、西洋社会が民主主義そのものがきっかけで成長したものの現在では格差が広がったことにより強いものが有利な社会に変わることで自由度が無くなってきているということを指摘しています。また資本主義においては、銀行含め金融機関の規制がフェアではなく、金融危機を起こした金融機関を罰することがなく更に金融不安を招いているところに大きな課題があると語っています。そして法律国家については西洋社会で作られたコモンロー制度が最も柔軟性が高く資本主義を後押ししていましたが、これが法律家と政治家や市民の間でそれぞれ不信感があることからかえって互いを縛り結果的に柔軟性のない法律に変化していると語られています。最後に市民社会においては社会への参加意識が下がりコミュニティを良くしようという意識が下がっているために改善が難しいということが語られています。

全般的に、現在のシステムは作られた当初は良かったのですが本質的に悪い方向に行くというシステムなのでこれをいかに根本的に改善出来るかが課題のようです。
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rekkakokka 

トム佐藤さんから薦められた本がこちらです。イスラエルはシリコンバレーの次にイノベーションが起こっているそうなのですがその理由と現状が書かれています。

イスラエルというと戦争とかテロとかという勝手な危険なイメージがありましたが、実際にはインテルやシスコ、マイクロソフトなどは大規模な開発センターを設置して重要な新製品の開発を進めているのだそうです。IT企業の開発だと中国とかインドというイメージがありますがそれらはどちらかというとオペレーション的な開発でイノベーションを起こすような開発はイスラエル以外にはないのだとか。

それでは何故イスラエルなのか?というところですが、この本によるとイスラエル人は服従的でありながら平等的、野心的でありながら統制的という相反する特性を持っているのだそうです。 これはそもそもユダヤ人が移動前提の文化を持ち、かつ軍隊に所属することで個性的で起業家的な性格でありながら成功するために助け合わなければならないという様々な環境がこのような性格を作ったのだそうです。また国が積極的にイノベーションに投資していてまた技術面の教育も高いレベルということもあるようです。相対的に軍隊においても上下関係なく意見を言い合い、それでいて決まったらそれに従う。ただ現場で考え実行するというまるで良いベンチャー企業のような文化だそうで。一度話を聞きに行ってみたいですね。

ベンチャー支援や投資家の方にお薦めの本です。 
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israel 

この本はマイクロソフトに所属しMSXそしてWindowsの展開を自ら進めた作者のトム佐藤さんから直接いただき読ませていただきました。

優秀な経営者や開発者が揃っていたマイクロソフトでもIBMとの関係や競合との戦いなどにおいて、運が良かったこともあってここまで来たんだなということがリアルに感じられる本でした。このような修羅場を経験し乗り越えた人達というのは世界的にも少ないと思いますが、今LINEの関係者が感じているようなわくわくどきどきする気持ちを感じました。

今佐藤さんはイスラエル企業の日本におけるビジネス展開を支援されていてイスラエルに興味を持つきっかけをいただきました。
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microsoft 

以前「ダイアログイン・ザ・ダーク」という暗闇で様々なものを体験するアトラクションをブログに書いた時に読者の方から紹介いただいた本です。

タイトルにあるように人間の様々な五感についてそれぞれ実験と解説が描かれています。例えば鼻には何故二つ穴があるか?とか嗅覚が弱いと味を感じにくいとか、話す相手の言葉とその人の口の動きの両方から実は言葉を認識しているとか普段人間の行動がいかに無意識に行われていて、実際どんなセンサーを持っていて行動しているのかがわかり本当に驚きます。

これらの知識を生かし教育や課題解決に使えるのではないかと思いました。人間の行動や心理学に興味ある方にお薦めです。
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gokan 

この本はある知人から中竹さんという方を紹介したいと聞き、中竹さんを知るために読ませていただきました。ご自身がラグビー選手としてもの凄く優れていたわけではないにも関わらず、そのリーダーシップを見込まれ早稲田大学のラグビー部の監督に就任し、在籍4年間で2回優勝、1回準優勝に導いている凄い方です。

元々企業経営とスポーツは近いところがあると思います。それはどんなに頑張っても結果が全てという厳しいところだと思います。例えば会社でマネージャーが部下育成のためにまかせた、だけど失敗した。それを単なる教育だと言ってしまうのは無理があると思います。やはりプロである以上、失敗はゆるされず結果まで含めてリーダーは指導しなければならないと思います。この本でも結果を出すために監督自身もチームメンバーにも厳しさを求めており、特には長く頑張った古株選手も入れ替え結果につなげています。ただその意思決定はロジカルでフェアだからこそ皆が付いていくということなのだと思います。

特にマネージャー経験の少ない方にお薦めです。
http://www.amazon.co.jp/dp/4492556877/ref=cm_sw_r_tw_dp_vIqptb0YWFT71
handantoketsudan