起業家 森川亮ブログ

Twitterやfacebookだと流れてしまうので残して置きたいことなどつらつら書いていきます。

カテゴリ: 生活の中で気付いたこと

面接を受けに来た人全員内定を出す会社だそうです。その会社は株式会社アイエスエフネットハーモニーで今週私の所属している代官山ロータリークラブで事業部長の成澤俊輔さんからお話伺いました。この会社は社員のほとんどが障害を持っていたり、ニートだったり、国籍がなかったりなど何らかの問題を抱えてる人達だそうで、社員1000人以上で売上も利益も出して成長しているのだとか。成澤さんご自身も視覚障害を抱えながら起業も経験し、現在はこの会社で活躍されているのだそうです。

どういう会社なのかというと、通常の会社だと仕事があってその仕事にあう人を採用するのですが、この会社ではまず採用してその人にあった仕事を作るのだとか。例えば習字がうまかったら字を書く仕事を作るとか食べる時の笑顔が素敵だったらモデルの仕事を探すとかするのだそうです。なので業務範囲も幅広く元々は技術関連の受託が多かったそうですが、最近は農業や飲食まで広げているのだとか。障害のある方はどうしても周りが気遣いをすることで甘やかされてしまうことが多いそうですが、この職場は皆がなんらかの障害があるので逆に甘えが許されず緊張感があるのだそうです。そして最近は家族毎採用し一緒に働きながら子供を見守るとか、一緒に成長するということもあるのだとか。

業務範囲が広がる理由として働いている人達の住む場所とか食べるものまでビジネス化しているそうで、まさに地産地消ならぬ自産自消なのだとか。面白いですね。ある意味独自の経済圏が出来ていることになります。多くの地域や国で参考になる事例なのではないでしょうか。

株式会社アイエスエフネットハーモニー http://www.isfnet.co.jp/ 
harmony 

原丈人さんはサイボウズ青野社長から紹介いただいてからお会いするのは4回目ですが今回は初めてマンツーマンでお話伺いました。原さんはDEFTA Partnersというファンドを運営しつつ、一方で、アライアンス・フォーラムという財団を作って公益資本主義の具現化を推進しているのですが、それは単に学術的に浸透するということではなくそもそも途上国が発展する際に欧米流の植民地政策や一部の特権階級だけが利を得るようなやり方では良い発展が出来ないという観点からこの財団を推進されている訳です。

今回は特に途上国の健康の支援をしているお話を伺いました。アフリカで元々あった藻のような植物スピルリナに実はたんぱく質が多く含まれていて、貧困層の食事だと口にすることが難しく、成長が遅くなったり病気になっている状況を改善するためにその植物を育てそれを供給する方法を具現化しているそうです。国連の認めた国際的な栄養改善の枠組みSUNのプロジェクトとしても動き始め新たなステージに入っているのだとか。素晴らしい取り組みですね。

その上で公益資本主義の推進のためのマイクロファイナンスの立ち上げなど更なる発展という段階で途上国が良い成長をし、その上で地球全体が豊かに幸せになるような働きをイメージされていました。本当に勉強になりました。 

週末はプロノバ岡島さんの紹介でお会いした松岡正剛先生のお話を伺いに行って来ました。昨年ご紹介いただき2度ほどお会いしましたがとても深い知識と造詣をお持ちの方でちょっと怖い印象もあったのですが、その後何冊か本を読ませていただき日本人の知識というか知恵のレベルを上げるために様々な努力をされている方なんだと理解が深まり緊張しながらも私塾の見学に伺いました。

企業の経営者候補の方々が数十名参加している塾でしたがテーマを決めその専門家の方々が集まり事前の学習及び話の中から出てきた事に対し深い理解と知見から深く幅広い議論をしている姿を見てここは日本の知恵が育ち集まる場所だなと実感しました。

最近変化や進化が早い中で先をどう見るのか?と質問を受けます。もちろん見通すことは難しいのですが、ただ過去から来た現在、また人類の変わらない部分、これらを理解することでもっと先を見やすく出来るのではないかと改めて思いました。 
matsuoka
 

原さんが主催するアライアンス・フォーラムという財団がありますがこちらでは原さんの提案する公益資本主義というものを推進する組織です。資本主義が進む中で顧客より社員より株主を最も大事とするような考え方の中で極端な貧富の差が進むとか、また新しい価値を創造することよりも株主配当で還元することで結果的に長く続く会社が生まれにくいなど様々な課題がありそれに対して問題提起をされています。

この団体の会議が11月に開催されたのですがそちらに参加出来なかった方々のフォローアップディナーでした。この会議には東レや三菱ケミカルホールディング、リコー、日本たばこ、ロート製薬などの代表や甘利大臣、経産省の通商交渉の責任者など日本を代表する方々が参加し現状課題と今後あるべき姿について語り合ったそうです。IT業界からはネクストの井上さんがやはりNext Wisdom Foundationという財団を作って公益資本主義を推進していますが井上さんも出席されたそうです。

原さんはサイボウズの青野さんから紹介いただきました。元々考古学を勉強するためにスタンフォード大学に入ったそうですがその後国連フェローから起業家、そしてベンチャーキャピタルを立ち上げて様々な事業を支援しています。そして最近はこの公益資本主義を提案しながらアフリカの銀行法を変えることに関わったり、ダボス会議だけでなく世界イスラム経済会議などにも参加し世界を変える大きな動きをされています。難しい方のように思われるかも知れませんが話をするととても気さくでスピードも早く本当に凄い人です。今回も力をいただきました。
 hara

建築家の迫さんとイノベーションを起こす会社で有名なIDEOさんに訪問してきました。以前こちらの本に関する感想でも書きましたが
http://moriaki.blog.jp/archives/1976476.html
IDEOさんはプロジェクトを進める際に従来の会社と異なり調査して提案書作って承認して実行というプロセスではなくプロトタイプを作って利用者と対話しながら違えば壊し、また作っては壊ししながら結果的にイノベーティブな商品を作る会社です。

オフィスを訪問すると表参道の隠れ家的なオフィスで天才達が様々なプランを進めていました。代官山ロータリークラブでご一緒しえいる石川さんは元々ロンドンでデザインを学びパナソニックで働いてからイギリスで仕事してこちらの立ち上げに参加したそうです。その他ハーバードでビジネスを勉強した日本人やエンジニアリングや医学を勉強したアジアや南米の出身の方々など様々なメンバーが自分の個性を生かして仕事をしていました。

最近未来の仕事の仕方や会社の在り方について考えていますがかなり理想に近い会社だなと思いました。皆さんぜひ本を読んで、知り合いがいればぜひ話聞いてみてください。 
 ideo