起業家 森川亮ブログ

Twitterやfacebookだと流れてしまうので残して置きたいことなどつらつら書いていきます。

カテゴリ: 仕事の中で考えること

今日はソニー出身の経営者天貝社長にお会いしました。

私は2000年から2003年までソニーに在籍し、そのほとんどはソニー×トヨタ×東急電鉄によるジョイントベンチャーのコンテンツ配信会社AIIに所属していたのですが、所属しながらもソニーの様々なプロジェクトに関わってしました。

ソニーは皆さんご存じの通り様々なイノベーションを起こしてきた会社です。当時エンジニアが空いた時間に興味がある技術を自由に開発しており、それを商用化したい時にエンジニア自らソニー内の事業開発や商品企画などの部署、更にソニーミュージックやソニーピクチャーズなどグループ会社にプレゼンテーションにまわるという習慣がありました。そして意気投合するとその部署に移ったり新会社を作って、そこから新しい商品やサービスが生まれるという見事なイノベーション生態系が出来ていました。

今日来社した天貝さんは様々な新しい試みにチャレンジしながら直近では静脈認証の技術を担当され、その技術が物凄く優れた技術なので2010年よりスピンアウトし株式会社モフィリアを立ち上げ事業をされているそうです。

静脈は人間が成長してもほぼ変わらず、また認証時に血の動きを見て判断するのでコピーが出来ず、生体認証の中では最も優れているそうです。特許も日本企業が90%所有しており日本の強みになるのだとか。実際にデモを拝見したのですがソニーならではの小型化の技術で小さくなっており、様々なところで既に利用が進んでいるそうです。

日本にはこういう隠れた技術がまだまだあると思います。そういう会社が工場を持たなくてもビジネスの集積帯として日本の中でコラボレートして新しいイノベーションが起こればいいなと思いました。

こちらご興味ある方ぜひ株式会社モフィリア様にお問い合わせください。 
http://www.mofiria.com/

昨日LINE@のO2Oビジネスセミナーが開催されました。

店舗をお持ちの企業のご担当など多数の皆様が来社され大変盛況でした。昔インターネットのビジネス利用がスタートしたばかりの頃中小企業や地方の企業などがインターネットで集客することが難しい時代がありましたがPCインターネット時代にその課題にイノベーションを起こしたのがgoogleのキーワード広告と楽天の仮想商店街のビジネスモデルでした。

googleのキーワード広告では確か羽田空港の近くの小さな駐車場がキーワード広告を使って集客し大きく成長したという話が話題になりましたし、楽天の仮想商店街では地方の名産品を売っている会社が成長し地方活性化に繋がった成功例が生まれています。

その後モバイルインターネットの時代になってオンラインとオフラインを繋げるO2Oというビジネスモデルが注目されコロプラが位置ゲーというジャンルを確立しコロカというアイテムをゲームと連携して地方の店舗への集客モデルを確立しました。これも大変注目されましたが全体として規模がgoogleや楽天ほどは大きくなくO2Oは難しいと言われることも多かったように思います。

このO2Oを私達はLINEならではの価値で変えようと考えています。従来LINEの公式アカウントは月額350万円以上かかっていたのが昨年12月にLINE@という月額5,250円のサービスをスタートして特に小店舗様などにご利用いただくビジネスモデルをスタートしました。店のファンの方々に時間を特定してメッセージを送れ、受け手側もロイヤリティを持って開封するということで早くも売上が数10%、数倍上がったという事例が出てきています。

私たちは今年LINE@で地域活性化に大きな影響を与えてユーザーの皆様にとって身近な存在になりたいと思います。

最近取材を受ける度に今後の事業計画がないことについて驚かれるのですが、それは別にいい加減な会社ということではなく

・今はさほど必要ではない。
上場企業ではないので細かく事業進捗を追いかける必要がない。
・作っても変更しなくてはいけないほど変化が早いので無駄な作業になってしまう。

という2つの理由があります。
そもそも事業計画を作る目的は資金ショートがないように注意深く見守ることと社内的に事業目標を達成するマイルストーンとして主に管理面で使われるものだと思っています。我が社も以前は細かく作っていました。ただそれは計画通りに行く場合の話で計画通りいかないものをわざわざ事業計画を作るというのは無駄が多いと感じています。

昨今のように変化が早い場合には変化に柔軟に適応することが大事だと思います。私達の会社ではスポーツに例えると野球型ではなくサッカー型を目指そうと話しています。野球型というのは攻めと守り、打順、ポジションなどあらかじめ決められたものを監督の細かい指示で進めるということで今までの日本企業の経営に近いものがあると思います。一方サッカー型というのはある程度戦略は決まっているもののいざフィールドに出ると選手の力量が重要になり、パスとドリブルの組み合わせで点を取るという野球と比べると変化をマネジメントするやり方なのではと考えています。右肩上がりの時代では野球型がマッチしていたのですが現代のように変化のサイクルが早い場合にはよりサッカー型が変化に適応しやすいと思います。

我が社では自らドリブルをしシュートを打つつもりで仕事をして欲しいと話しています。なので社員を育成しチームワークをとってというよりは、自らリーダーシップを持ってリードし、時には意見が合わず喧嘩してもユーザーの求める価値を自ら作っていく人を支持しています。ただこれは我が社が外資系企業で外国人が多く、M&Aを通じて多様な事業やサービスを抱えているため1つの考え方ややり方に押し込めるようなやり方がなじまないところから出てきたやり方です。なので同じ方法をやってうまくいくかどうかは別問題だと思います。一番大事なことはメンバーや環境にあったやり方をし流れに適用していくことだと思います。

最近取材を受けて3年後、5年後どうなっていくと思いますか?と聞かれるとわかりませんと答えます。もちろん本当にわからないのですが、もう1つは仮に何か答えたとしてもまた考えや状況が変化するのでかえって朝礼暮改にならないように言わないということもあります。日本人は計画が好きで計画通りしないとモチベーションが下がることも多いのであえて計画を言わないということも大事かも知れません。