起業家 森川亮ブログ

Twitterやfacebookだと流れてしまうので残して置きたいことなどつらつら書いていきます。

カテゴリ: 仕事の中で考えること

先日来日していたルクセンブルグの皇太子夫妻と大臣の方々とお会いし情報交換しました。ルクセンブルグはEUの中のシンガポールのような存在で低い法人税率、外国人雇用、また様々な言語への対応などが柔軟に行われており、今海外の企業が積極的に本社や支社の移転を進めているそうです。

実際経済担当大臣の話によると 元々金融セクターを国のイノベーションの基軸に置いていたそうですが現在はICTやグリーンエネルギー、ヘルスケアなどに重点分野を転換し、ICT分野ではデータセンター設置や回線のハブ化などが積極的に行われている他、それ以外の分野に対する積極的な起業投資も行っているのだとか。人口50万人程度と小さい国のせいか危機感をまるでベンチャー企業のように早いスピードで改善しており今後の国の動きに目が離せないですね。
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先日長野県松本市の信州大学で行われた信州ベンチャーコンテスト2014に審査員として参加してきました。元々このイベントは起業促進のために信州大学内で行われていたそうですが、長野県を起業NO.1の県にしようという阿部知事のビジョンの下に県内の大学と県が協力しそこに八十二銀行などの企業も参加してよりオープンに開催することになったのだそうです。

そうは言っても初の大規模な試みということで関係者の皆さんの中には不安もあったそうですが、無事多くの提案が集まり、地元出身の経営者と私とで途中審査を行い、最終的に高校生、大学生、社会人の中から5つずつの提案を選んで最終審査のピッチイベントを行いました。

今回地方の起業イベント初参加で思ったのは地域毎に課題が異なるため提案内容も異なり大変面白いということでした。実際長野県は高齢化が進んでいるということもあって多くが高齢者向けのサービス提案でした。高校生のグランプリは加藤さんの高齢者の買い物を助ける「買い物同行サービス」でした。高齢者向けのeコマースや宅配サービスなどは良く提案がありますが同行というのはとてもユニークだなと思いました。是非地元商店街とともに実現して欲しいと思います。そして大学生のグランプリは「紙の折り目付け事業」で高専の学生さんの柳澤さんからの提案でした。ビジネスモデルとしてはこなれていない部分もありますが、自ら学んだ技術を生かし具体的な提案がされた点が評価されました。そして社会人部門では山崎さんの「WEBによる工作機械利用サービス」がグランプリに選ばれました。長野では様々な中小企業の工場があり、それらの空き時間を使って印刷したり、製造したりする仕組みの提案でした。今3DプリンターやIOTなどのメイカーズブームなどありますが地元の資産を使って実現するとてもユニークな提案でした。こちらは既に実現に向けて動き始めているとのこと楽しみです。

前回は私は筑波大学で起業イベントを実施し、その際も東京とは異なった切り口やアイデアが提案されましたが、今後も地方のイベント参加したいと思います。 何かあればお声掛けください。
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今週はルネサスエレクトロニクス社のイベントを訪問しました。ルネサスというと日本のお家芸だった半導体ビジネスを復興する日本株式会社の象徴の1つとして語られ数年前に経営難で厳しい批判にもあいましたが、その後経営体制が変わりオムロンの元会長の作田さんが経営改革を行って今は順調に利益を出し成長をしています。
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今回、会長と社長が従来のルネサスは技術中心に組織を作ってきたが、それを事業分野毎に組織を作り、また大きく自動車分野と家電他のIOT分野に選択と集中を行ったと語っていました。実際最近の車は様々なOSが積まれていてそれが車メーカー毎に異なっているため複雑になっているそうですが、そこにパートナー企業とともに車載ネットワークの高速化の技術や車載機器のOSをまたぐライブラリを提供したりなどし車のIT化に向けた様々なソリューションとハードウエアを紹介していました。またIOTの分野でもメーカーをまたいで家電をコントールする技術基準を作るコンソーシアムに参加するなどし、家電のネットワーク化の推進を意欲的に進めています。以前はこんな技術がありますとかこんなハードウエアがありますという紹介の仕方だったところが、こんなパートナーとともにソリューションが作れますというサービスに近い形での提案が増えて企業文化が変わったのだそうです。

ハードウエアがインターネットにつながるとどうしても標準化しなくてはならない。でもメーカー独自技術で囲い込むことをしてきた日本のメーカーは差別化したいがために標準化に前向きになりにくい、そして下請けメーカーもそこに乗ることが出来ないという状況でした。しかしそうなると海外の企業が標準化しでデファクトをおさえてしまうということがワープロやガラケー、ウォークマンの時代からPCやスマートフォンに変わる時にあったかと思います。家電や車でも同じ轍を踏まないよう頑張って欲しいと思います。

特に最近車や家電の中にマイコンが多く使われていますが、そこは日本のメーカーが強い分野でそれらのマイコンとセンターを使ってビックデータを集めそれを分析して新たなサービスモデルを作るという部分で競争力が持てるのではないかと思います。

ウェアラブルを使って人間やペットの体温と脈拍データを取りそこからエアコンをコントロールするデモ
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車の中のLAN高速化技術
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ようやくイスラエル訪問しました。知人のIT経営者とともにイスラエル内で本当に優れたベンチャー企業を数多く回ってきました。詳細は書けないのですがいくつか成功の要因を共有したいと思います。

まずは圧倒的な軍事開発をベースとした技術力です。男性も女性も軍隊に入るのですが軍隊の中に研究部門があり、彼らはその技術をそのまま持って事業化出来るそうです。

そしてその圧倒的な技術を米国のトレンドを柔軟に取り入れビジネスにいかしています。やはり英語が使える、またユダヤの人脈があることも大きいと思いますが米系のVCから資金をいれて一気にグローバル化をします。資金が入ると本社を米国に置く場合が多く、そうなるとバリュエーションが高くなるのでその前に出資したほうが良いとアドバイスいただきました。

そして最後は上下関係なく徹底的に議論する文化があります。これは元々移動しながら生活した人が多いということもあるし、またそういう教育を受けているということもあるでしょう。 ダイバーシティから新しいアイデアやビジネスモデルが生まれています。

米国の次にイノベーションが起こっている国ですが参考になる部分多く起業家は少なくとも一度は訪問することをお薦めします。 
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IVSサマーワークショップに参加してきました。今回は“挑戦する人生”というテーマでGMOインターネット熊谷代表とコロプラ千葉副社長とご一緒させていただきました。実はIVSのワークショップ登壇は今回が初めてなのですが、場所が慶応大学ということで慶応の学生さん達が来るのかと思っていたら起業を目指すやる気があって優秀な若者たちが多く集まっていて、パネルディスカッションの後のQ&Aもかなりレベルの高く本当に驚きました。最近の若い人たちの起業に対する知識や情熱は今までにないレベルで、2013年に続き2014年も有望ベンチャー創出の年になりそうだと改めて感じました。

熊谷さんとは数多くパネルディスカッションでご一緒させていただいているのですが、やはりこういうテーマは熊谷さんが圧倒的に経験も多く若い頃の苦しい時期の話からその後の成長ストーリーをお聞き出来、何度もご一緒しているのに初めての話が出てきてパネラーでありながら勉強させていただきました。“夢とコンプレックス、この2つをバネに。笑顔づくりの、挑戦する人生。”という熊谷さんの言葉心に残りました。
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