起業家 森川亮ブログ

Twitterやfacebookだと流れてしまうので残して置きたいことなどつらつら書いていきます。

カテゴリ: 仕事の中で考えること

先日イスラエルのネタニヤフ首相が来日し昼食会に出席してきました。紹介はイスラエルと日本でVC事業をされているVERTEXのデイビットさん。新経連のパネルにも出席された方です。

最初に世界的に有名なヴァイオリニストの演奏、そして首相の講演でした。その後はイスラエルのワインやオレンジなどを楽しませていただきました。ワインやオレンジも砂漠に水を潤わせる技術やアグリテックで効率的に生産しているとか。

首相の話がとてもロジカルでわかりやすかったです。 スタッフの方々に聞くと政治家でもあるしビジネスマンでもあるとのこと。イスラエルの強み、そしてその国際レベルを理解する知識、更にそれを売り込む力を感じました。イスラエルはやはり軍事という面で強く、男性のみならず女性も徴兵制があり一旦軍隊に入るそうですがそこで研究した技術やノウハウを持って起業するということについてはIPについて制約がないそうです。それが新しいイノベーションを生み出す種の1つになっているようですね。ITはもちろんの事、バイオやそれらを生かしたエネルギー、環境、農業、医療など様々な分野に最先端技術を活用しているのだそうです。

そしてベンチャーに対する投資面での支援の環境も整っており、更に国民文化が歴史的に移民の文化があり何か定住して守りに入るというよりは常に変化を受け入れ上下分け隔てなく言いたいことを言う文化だそうです。これも新しいイノベーションを生む上で 本当に重要な文化だと思います。

NASDAQの上場企業はアメリカ企業の次にイスラエルの企業が多く、AppleやINTEL、CISCO、Googleなど様々なIT企業が現地企業を買収し開発センターを立ち上げています。更に最近は中国や韓国企業も多く参入しているのだとか。サムライインキュベートの榊原さんが今日からイスラエルに出発しましたが、私も今年の訪問楽しみです。

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G1ベンチャーが初開催され参加してきました。前夜祭は代表の堀さん宅で行われTPPでお忙しい中甘利大臣も参加いただきました。

イベント当日も改めて甘利さんからTPP含め今後の日本のベンチャー育成への想いとそのための今後の政府の考えを力強くお話いただき改めて安倍内閣の力強さを実感しました。

次に特区構想で具体化というところで高島福岡市長とモビーダ孫社長ともにパネルディスカッションをして特区で具体的にどんなことを進めるべきか、何が課題かについて議論しました。ベンチャーにとって重要なものは優秀な人材の採用、資金調達、規制緩和の3つだと思いますが私は特に人材面で優秀な人がチャレンジしやすい仕組みを国や地方自治体としても応援する仕組みを考えて欲しいとお話しました。

そしてその後はeコマースのセッション、ここではヤフー小澤さん、楽天中島常務、オークファン武永社長の3人のパネルディスカッションでeコマース率が世界の中で低い日本が既に物流面での課題がある点や決済手数料がゼロになる未来など新しい発見がありました。指名買い以外の購買が多いということにも驚きました。またランチセッションでは小泉進次郎さん含め地方活性化について議論しました。 東京のマネをするのではなく独自性をどうだすか?良い面も大事だし一方で課題も考え方によっては強みになるのでは?具体的に地方で起業しようとすると実は地元の抵抗がある、どう地元の人を巻き込むか?またそこでの雇用や子供たちの教育は?など具体的な課題に関する議論が行われました。

 私は途中で失礼したのですが最後は"儲かる"と"喜ばれる"の両立というセッションでスープストック遠山社長やロート製薬山田社長、ディーンアンドデルーカの横川社長のパネルでした。 個人としてこうあってほしい世界や社会的にこうなって欲しいという想いをどうリーダーシップをとって社会的な成果にするかとても参考になりました。

G1に参加して毎回思うのは意識が高いメンバーと議論することで否定するのではなく新しい発見、そしてエネルギーをもらえること本当に感謝したいと思います。
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先日の産業総合研究所に引き続き文部科学省管轄の科学技術振興機構を訪問しました。こちらは産総研とは異なり内部で研究をしているわけではなく、外部の研究特に大学の研究に投資をしている独立法人です。

公的シンクタンクとしてグリーンイノベーション、ライフイノベーション、ナノテクノロジー・材料、情報通信技術、社会技術・社会基盤という大きく5つの分野のスペシャリストが未来を見据え基礎研究中心に提言し投資をしているのだとか。年間数千の提案があってその中で絞り込んで年間1000億円以上の投資を進めているそうです。

理科系や技術系だけでなく社会科学的な分野にも投資しており、またA-STEPという枠組みで企業や産学連携などの仕組みを持っていたり、社会ニーズから技術を開発するという考えから企業側がリーダーシップを取り新しい技術を共同で開発するS-イノベという仕組みがあったり、 また更に産学共同実用化開発事業という開発投資をして成功すれば売上に応じて返金、失敗の場合は10%だけ返金すれば良いというようなリスクを取ってプロジェクト投資をするような仕組みなど研究者が起業をするには本当に良い仕組みがたくさん整備されています。

その他人材育成から知財活用支援、研究室と企業とのマッチングイベントなど幅広い仕組みもあって、今までこういう仕組みがないから研究者が起業しない、もしくは企業と優れた技術が結びつかないと思っていたのですが既にあり、後は認知を高めることが重要だと感じました。差別化出来る技術を探しているベンチャー企業の経営者やこれから起業を目指す方々に是非知ってほしいと思います。

いくつか事例をここで紹介します。
超小型人工衛星を開発している株式会社アクセルスペース
http://www.axelspace.com/
デジタルスピーカーを開発しているトライジェンスセミコンダクター.
http://www.trigence.co.jp/

科学技術振興機構 http://www.jst.go.jp/ 

今日はサムライインキュベートのイベント初参加でした。最近様々なVCやインキュベーターが活躍していますが、サムライさんはインキュベーターの中では最大規模で興味があっての参加でした。

早速榊原代表の挨拶がありましたが学園祭好き、グローバル、イスラエルなどのキーワードを出しながら多くの人達の心をつかむ挨拶さすがでした。

そして最初に先日発表になった国家戦略特区について内閣官房 地域活性化統合事務局の藤原さんの講演に出席しました。小泉政権時代の構造改革特区で良い成果がいくつも出たのでそれを更に越える規模で様々な準備を進めているそうです。特に医療や農業、雇用、都市開発、教育など岩盤規制の強く残っている分野を変える試みをやる気のある地方自治体とともに変えるということで大変期待です。関東地区はもちろんのこと、LINEでは福岡に子会社を作り力を入れているので一緒に出来ることあれば良いと思います。
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そして午後に私も講演させていただきました。座布団に座る形式、なんか塾みたいで新鮮でした。
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そして自身の講演が終わった後は個人的に興味があるイスラエルに関するセッション。 FinTech Global Capitalの本藤さん、JIC(ジャパンイノベーションセンター)の岡田さん、
そして榊原さんでした。否定的な意見よりはまず何故日本はイスラエルと新しい試みをしないのか?という想いが皆さん強く良いところ様々な切り口からお話がありました。投資環境、技術環境、人的ネットワーク、日本との相性、スピード感、そして女性が美しいとか。おそらく課題もあるのだと思いますが今年是非一度訪問してみたいですね。
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皆さん出席ありがとうございました。そしてスタッフの皆さんお疲れ様でした! 
サムライインキュベート http://www.samurai-incubate.asia/

日本において研究という面でとても大きな役割を担っている産業技術総合研究所を訪問しました。元々は複数の国の研究所だったのですが2001年に1つにまとまり独立法人として再スタートしたそうです。今回は東京お台場のITやバイオ中心に研究されている臨海副都心センターに伺いました。

そして数ある研究室の中で持丸先生が担当しているデジタルヒューマン工学研究センターを見学させていただきました。コンセプトは人間の日常の動きをキャプチャーしそれを集めることでビックデータ化し、更にそれを分析して世の中の役に立てるということで、ヘルスケアやロボットの研究、また新製品の研究協力などに役立てているそうです。
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まず最初に見せていただいたのがレーザーを使って周りの人の動きのスキャニングするロボットです。このロボットを建物の中に泳がせるだけでその場にいる人々の動きが時系列に取れてそれをビジュアル化することが可能です。店舗や工場の中で人が効率的に動いているかなどの調査に使えるのだとか。その音版で小さいマイクが多くつけられてて、複数の人が同時に話した声をそのマイクの距離からばらばらに認識出来るシステムも紹介されました。この技術はロボットが人の声を聞いて反応したりするのに応用出来るのだとか。
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また部屋に多くのセンサーをつけて子供に遊んでもらいそのデータをセンサーでとって子供の事故防止に役立る仕組みも開発しています。ただ実際には事故は家の外で起こることも多いので病院や消防署にヒアリングをしてその検証としてこの部屋を使うのだとか。例えばライターで子供がやけどをおったり、家事になったりすることについては、ライターに火をつける圧力を変えることで解決したのだとか。
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そして最後に紹介されたのが転倒しやすさを教えてくれるシステムです。 これは昨今高齢になると転倒がきっかけでそのまま寝込んで病気になる方が多いそうで医療費の負担を減らすためにこの研究をしているのだとか。様々な年齢の人の歩き方のデータを取って転倒しやすい人の歩き方と比較しどれだけ転倒しやすい歩き方なのかアドバイスする仕組みです。これをいかしてトレーニングや靴の新製品の開発に役立てるのだとか。
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 産業技術総合研究所は筑波が研究の本部でそれ以外9つの地域研究拠点があり約1万人もの方々が携わっていて、研究分野は大学の基礎研究と産業界で求められる技術をつなぐような分野を特に強化しているそうです。そのため大学や企業からの研究員の受け入れや産学連携を積極的に進めていて、起業した事例も数多くあるそうです。今後日本の財産でもある優れた技術をよりイノベーションにつなげていくためにこの研究所とも様々な連携模索したいと思います。

産業技術総合研究所 http://www.aist.go.jp/